エヴァンゲリオンのみならず様々なシーンで登場し色々なバリエーションがある「EM20」だけを集めた3枚組CD「EVANGELION INFINITY」を紹介します。
グッズ概要
エヴァンゲリオンの楽曲の中でもっとも有名な楽曲の一つ“デンデンデンデンドンドン”でお馴染み「EM20」だけを集めたCD3枚組のアルバム。2021年7月21日に発売されました。
1995年のTVアニメ版から2021年の『シン・エヴァ』まで、これまで発表されてきた様々なバリエーションの「EM20」が収録されております。
もとは『エヴァンゲリオン』シリーズ25周年記念として、2020年3月~5月の3か月間で連続リリース予定だった1枚。ほかにリリース予定だった「25th ANNIVERSARY BOX」および「EVANGELION FINALLY」の2作品は、当初の発売日を変更しながらも2020年10月7日に発売されましたが、 「EVANGELION INFINITY」だけは長らく発売延期となっておりました。
https://evacollector.com/eva-no1791-cd-evangelion-finally/
そして、いったんは制作中止(KICA-2581~82)となりましたが、収録内容を変更したうえで改めて発売が決定(KICA-2589~91)。CDも当初の2枚組から3枚組へとパワーアップしております。
YouTubeには24分の試聴動画も公開されております。
ジャケットイラスト
ジャケットにはエヴァ初号機。イラストは『シン・エヴァ』で名誉特技監督としてクレジットもされている増尾昭一氏によるもの。イラスト自体は『破』全記録全集の発売時に登場したものをリデザインしているとのこと。
なお、同イラストは、2017年に発売されたイラスト集「エヴァンゲリオンイラスト集2007-2017」のカバー裏にも収録されております。
https://evacollector.com/eva-no1027-1028-evangelion-illustrations-2007-2017-calendar/
こちらはケース裏面の収録楽曲一覧。登場した年号も入っているので、様々な時代から収録されていることがわかります。
ディスク盤面のデザイン。3枚とも共通のデザインで、ディスクナンバーのみ異なっております。
ブックレット
ブックレットは全60ページ。イメージカラーの蛍光ピンクになっているページは目が痛くなります。内容としてはEM20の関係年表や、
スコアが多数収録されております。
また、特別対談として川井憲次氏と鷺巣詩郎氏の対談も収録。音楽制作だけでなく、制作にあたっての契約について(日本と海外の違い)などディープな話題から、それぞれ交流がある庵野監督と押井守監督についてなどファンにはたまらない内容になっております。
また、オーディオマニアの話しの中で、東京はダメで名古屋か大阪からくる電気がいいみたいな有名コピペネタが出ていたのには笑ってしまいました。
最後のページには各楽曲の解説文がネット上で公開予定であることが記載されております。このブックレットだけで60ページもありますから、解説文まで収録させるのは難しかったのかもしれません。
収録曲
収録曲は様々なシーンで登場した「EM20」ばかりをシークレット4曲を含む全60曲を収録。エヴァンゲリオン劇中で使用されたものばかりでなく、『シン・ゴジラ』での登場曲やオーケストラ、吹奏楽やボイスオーケストラなどバリエーションに富んでおります。
【DISC I】
- DECISIVE BATTLE(1995)
- Spending Time in Preparation(1996)
- The Beast Ⅱ(1996)
- NORMAL BLOOD(1996)
- The Longest Day(2007)
- The Longest Day Ⅱ(2007)
- EM10B Rhythm Main Mix 070820(新)
- The Longest Day Ⅲ(2007)
- Stratégie “Yashima”(2007)
- Battaille Décisive(2007)
- Sin From Genesis(2009)
- 2EM36 rhythm only(新)
- 2EM36 orchestra only(新)
- Bataille d’Espace(2012)
- Serenity Amongst the Turmoil(2012)
- E01_matsumoto(2013)
- E16_shima(2013)
- euro nerv(2021)
- EM10A alterne (2021)
- EM10A alterne bis(2021)
- EM20 =wunder operation=(2021)
- E-16 normal rhythm(1998)
- E-16 fast rhythm only(1998)
(ほかシークレット・トラック 4曲)
【DISC Ⅱ】
- PRELUDE TO BATTLE(1997)
- BATTLING(1997)
- E01_EWS_Amano&Kosei(2009)
- E01_01_YoichiMurata_Session(2009)
- E01_02_YoichiMurata_Session(2009)
- EM20_rhythm_GZM/組織結成(2016)
- EM20_Jerry_GZM/情報供与(2016)
- EM20_Godzilla/再始動(2016)
- EM20_CH_alterna_01/巨災対(2016)
- EM20_CH_alterna_03/報告 (2016)
- EM20_CH_alterna_04/共闘(2016)
- Jerry Long(2016)
- Akira Jimbo universe(新)
- ch alt1 proto(新)
- ch alt3 proto(新)
- ch alt4 proto(新)
- EM20_alterna01~EM20_alterna03~EM20_alterna04 (2017)
- E01_WithoutEricTrumpet_EWS_Amano&Kosei (2009)
- Shiro’sBrassBand_TributeToBreckerBrothers (2009)
【DISC Ⅲ】
- EM20 KOTETSU Voice Orchestra(新)
- TENSIONS featuring 高橋洋子(2017)
- TENSIONS =he who pays the piper=(2017)
- EM20 =clint eastwood=(新)
- euro nerv optionA =tokyo III and timpani=(新)
- EM20 =spaghetti western swang=(新)
- euro nerv optionB =tokyo III and guitars=(新)
- Can’t run away, Face it =EVA oriented Giant Swing=(新)
- EM20 =super chiptune=(新)
- alterna blueprint CHOKKAKU guitars(新)
- a short attention span(新)
- battle suite 1997(1997)
- EM20 suite 2017(2017)
- all you need is love, Martin…(新)
また、お蔵入りとなった新バージョンも多数収録。全曲最新(リ)マスタリングで、収録時間は3枚合計でじつに3時間となる、まさに「EM20」の決定版となっております。
感想
エヴァの代名詞のひとつ“デンデンデンデンドンドン”だけを集めたという、ある意味狂気のCD。長らく発売未定だったのでてっきり中止になったと思っていたのですが、CD2枚組から3枚組にパワーアップして登場するとは思いもよりませんでした。
似たアレンジが多いと思っていた「EM20」ですが、こうして通して聴いてみるとじつにさまざまなバリエーションがあったんだなと気づかされます。あまりにも毛色が違うアレンジが多いので、同じ曲を聴いている気がしない面白いアルバムだなと感じました。
とくにディスク3に収録されているバージョンは新録ばかりなのか、聴いたこともないアレンジばかりとなっていて非常に楽しめました。
また、聴いていると案外“このバージョンはこのシーンで使われていたな”とわかったりするので、「EM20」のはちょっと変えただけの微妙なものではなかったんだなと、改めて「EM20」の魅力に気づかされました。
個人的なお気に入りは、1997年発売の「EVANGELION-VOX」収録バージョン(エヴァが完結してしまった寂しさでずっと聴いていたので印象に残っている)や、『シン・ゴジラ対エヴァンゲリオン交響楽』のオーケストラバージョン(実際に観賞したため)。TVアニメ『マグマダイバー』で登場したバージョンなどです。リマスタリングの効果か、音質が非常に瑞々しくて良いスピーカーで聴いてみたくなります。
最初は「EM20」ばかり集めたアルバムということで(失礼ながら)あまり期待していなかったのですが、一度聴いたら忘れられないインパクトのある楽曲がこれだけ様々なバリエーションで収録されているとこんなに楽しめるのかと驚きました。
作業用BGMとしてはもちろんですが、色々なスピーカーシステムで聴いてみたらもっと面白くなりそうなアルバムだなと思いました。