タイトルは間違ったわけでもふざけたわけでもなく正確なのですが、タイトルだけで何のカードかわかる方はかなりのエヴァマニアです。どんなカードかはもちろんこれから紹介しますが、これでも超がつくほどレアなカードです。
グッズ概要
「ひぃぃぃぃぃやあああ」はエヴァンゲリオンのカードゲームとして、バンダイから発売された「エヴァンゲリオン カードダスマスターズG」シリーズのカード。「月刊RPGマガジン」の1998年9月号付録として付いてきました。
「月刊RPGマガジン」は正確には「ロールプレイングゲームマガジン」と読みます。コンピュータではなく人間同士の会話とルールブックで遊ぶカードゲームなどを指すテーブルトークRPGを紹介する専門誌です。なお、発行は模型雑誌で有名な株式会社ホビージャパンで、TRPGはホビージャパンの登録商標だそうです。
1998年9月号は「月刊RPGマガジン」の創刊100号記念特集第2弾(創刊からは101号)ということで、当時第1弾と第2弾が発売されたばかりだった「エヴァンゲリオン カードダスマスターズG」の特製カードが、創刊100号記念特別付録第2弾として付いてきました。
付録の特製カードということでもちろん非売品ですが、マイナーな雑誌の付録ということもあって存在自体がほとんど知られおらず、市場でも滅多に出回らない幻のカードです。
イラスト・デザイン
雑誌の表紙は特集が組まれた『機動戦士Zガンダム』。イラストは佐野浩敏氏。ガンダムのTVシリーズの原画や作画監督をしている方です。
エヴァのカードゲームについては6ページにわたり特集が組まれており、基本的なルールの解説からデッキのアレンジ方法などが紹介されております。
もちろん今回紹介する付録のカードについても紹介されております。
実際のカードは紙製のケースに入れられて、アンケート用ハガキに貼りついておりました。
紙製ケースには、100号記念の付録であることなどが書かれておりますが、中のカードデザインはわかりません。
実際のカードがこちらで、イラストは見ての通り【補完】される直前の青葉シゲル。カードタイトルは「ひぃぃぃぃぃやあああ」です。
カードの裏面は、通常の「エヴァンゲリオン カードダスマスターズG」シリーズと同じデザインとなっております。
カードイラストについてですが、1997年7月公開の『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』の終盤、人類補完計画発動シーンにおいて、救済の使者として現れたレイの集団に恐怖して叫び声をあげるシーンが(カードのタイトルにも)使われております。
こちらは実際の劇中シーン。まるで青葉シゲルの泣き叫ぶ声を味わうかのように、ゆっくりと手を置くレイ。なんとなく、表情も楽しんでいるように見えてしまいます。
ちなみにこちらがマンガ版。アニメと違うのはこの後、“いやだッ、助けてくれッ”というセリフがあるところです。個人的にレイの表情が、意志を感じさせない雰囲気で気に入っています。
冬月やマヤ・日向マコトにはそれぞれ慕う人物が(レイが変化して)現れたのに、青葉シゲルだけはとくにレイが変化することはなく、それどころかたくさん来てしまい、恐怖しながら液状化させられてしまいますが、皮肉にもそれがとても印象に残りました。
感想
旧劇場版を見ているとき、なぜ青葉シゲルだけ恐怖しながら補完されたのか?と思っていましたが、このカードを見ると、なぜ記念すべき付録にこのシーンを選んだカードを作ったのか?と疑問に思ってしまいます。とにかく???がいっぱいつく謎のエヴァグッズです。
疑問はありますが、とにかくカード自体は非常にレアであり、雑誌付録といっても一般的に広く販売されていた雑誌ではないマニア向けの専門誌の付録であり、かつ告知もほとんどなかった(少なくとも自分はまったく知りませんでした)ものですから、とにかく存在自体が知られていません。
オークションやフリマ、グッズ専門店でも見られる機会はほぼなく、個人的に実物を見たのは自分が入手した2回だけでした。しかし、あまりにマイナーなのと、カード自体が青葉シゲルというハッキリ言って人気のないキャラであること、カードダスマスターズG自体にも人気がそれほどないこと、などから価格面ではそれほど高価なものにはならないと思います。つまり、完全なコレクターズアイテムです。
青葉シゲルはレギュラーキャラなので作品での露出は多いですが、同じオペレーターの日向マコトや伊吹マヤと違ってキャラの掘り下げはほとんどなく、登場回数やセリフが多いわりに謎な人物です(ドラマのない一般人として描かれているという印象)。個人的に彼の登場シーンで印象に残っているのは、UCC缶コーヒーを買っているところと、“バカ!撃たなきゃ死ぬぞ。”のシーンだけです。
そんな青葉シゲルですから関連グッズでの登場もあまりなく、イラストだと集合イラスト、グッズだとカードダスマスターズなど大量に出るものにわずかに露出する程度で、ピンで登場することはほぼありません。
そんな中でこのカードは、彼が一つのグッズで登場しているほぼ唯一のもの(カードゲーム全407種の中の1枚ですが、雑誌の付録はこの1枚だけなので単独のグッズとしてカウントしております)ではないでしょうか。そういうことで二重の意味でもレアなカードですが、ここまで言ってもこのカードを“欲しい”という人がどれほどいるのかは謎です。
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