マンガ版『新世紀エヴァンゲリオン』のコミックス第2巻。カラーページや巻末、アニメ版との違いなどを紹介しております。
グッズ概要
1996年3月に発行されたマンガ版エヴァンゲリオンのコミックス第2巻。作者はキャラクターデザインなどを担当している貞本義行先生。
TVアニメの第3話と第4話にあたるエピソードを収録しておりますが、後述するようにアニメと比較して展開が一部異なっていたり入れ替わっていたりしております。
なお、巻末には緒方恵美さんやあさりよしとお先生、作者の貞本義行先生自身のインタビューが掲載されております。
1巻の記事は以下の記事を参考にしてください。
https://evacollector.com/eva-no1262-sadamoto-eva-01/
また、マンガ版の連載完結時の簡単なまとめは、以下の記事を参考にしてください。
https://evacollector.com/sadamoto-eva-matome/
貞本義行(著)新世紀エヴァンゲリオン 第2巻
表紙
表紙には今回の話しの中心となる、シンジ・ミサト・エヴァ初号機が描かれております。
なお、初版には帯はありませんでしたので、代わりに第4版にあった帯を紹介。
エヴァの劇場公開が決定し、角川コミック祭りが開催されていたときの帯です。このとき、書店向けにも販促グッズが配布されておりました。
https://evacollector.com/eva-no1189-1192-death-and-rebirth-expansion001/
コミックスに挟まっていたチラシは1996年のカレンダーについて。発売が3月上旬の4月スタートのものでした。
収録話数
第7話~第12話までを収録。TVアニメでは第3話~第4話にあたるエピソードと、一部第2話の話しを前後入れ替えて収録しております。
- 第7話 閉じゆく心
- 第8話 シンジご機嫌ななめ
- 第9話 マニアの受難
- 第10話 ナイフと少年第11話 さまよえるサード・チルドレン
- 第12話 やさしさの輪郭(かたち)
カラーページ
中表紙のカラーページにはバイクとミサトさん。HONDAのモンキーというバイクでしょうか(詳しくないのでわかりませんが)。
そして、プールサイドと綾波レイ。1巻に続き、こちらも世界観の説明となっております。が、この2巻でもレイの出番はほぼありません。
また、第9話「マニアの受難」の冒頭がカラーページで収録されております。
巻末
巻末には、碇シンジ役の声優・緒方恵美さんの写真付きインタビュー記事があります。この時点でTVシリーズ第18話までの台本読みが完了。作者の貞本義行先生にあった時にシンジとイメージが重なってビックリしたとのこと。
他には、第参・第四・第拾四使徒デザインを担当したあさりよしとお先生の4コマ漫画とインタビューや、
作者の貞本義行先生のインタビュー記事が入っております。アニメとはフォーマットが違うので、そもそもアニメと同じことは漫画ではできない
こちらは巻末の初版表記。まだ鳥(途中で消える)のイラストが入っております
アニメ版との違い
アニメ版との違いを紹介。シンジの家出までの過程がより丁寧に描写されており、アニメ第4話のミサトとシンジのラストシーンは大幅に異なっております。
シンジの独断でトウジたちをエヴァに乗せている
第四使徒シャムシエル戦において、トウジとケンスケをエヴァ初号機にやむなく乗せるシーンがありますが、アニメではミサトの命令で彼らを乗せるところが、マンガだとシンジの独断になっております。
これによりアニメではリツコのセリフだった”許可のない民間人をエヴァに~”が、ミサトのセリフになっております。
ミサトがひっぱたく
シャムシエル戦で命令違反をしたことを叱るミサトですが、アニメでは詰問するだけでしたが、マンガではひっぱたきます。
自分を家族ではなく部下としてしか見ないミサトに反発し、不貞腐れた態度をとったシンジにカッとしてつい手を出してしまったミサト。これが決定的となり、シンジは家出をすることになりました。
労いの言葉
登録を抹消されネルフから出ていくシンジ。アニメでは特に何もなかったのですが、マンガ版ではゲンドウからの伝言がありました。
“任務遂行ご苦労”というのはシンジが欲しかった言葉ではないと思いますが、本編でも1度くらいしかなかったゲンドウからシンジへの労いのセリフ(伝言だけど)は貴重です。
ミサトとシンジの会話
エヴァパイロットとしての登録を抹消され、おじさんのところに戻るシンジと、それをミサトが見送りにくるシーン。アニメではトウジを先に殴り、ミサトとは直接の会話はないままでしたが、シンジは電車には乗らずそのまま残ります(“ただいま”・“おかえりなさい”のみ)。
マンガ版ではミサトがシンジを引き取ったのは仕事としてではなく、家族として迎えるためだったことが(ついでにペンペンの身の上も)語られるなど、ミサトが直接シンジに気持ちを伝えております。
シンジもおじさんのところに戻りたくないとハッキリ伝え、自分の意志でミサトの元に残る選択をしております。シンジが残る結論は変わりませんが、会話のなかったアニメとは大きく展開が異なっております。
こうしてみるとアニメ版はトウジやケンスケが、マンガ版はミサトがシンジを引き留めたような展開ですね。
感想
2巻では、ミサトとシンジの関係が中心にストーリーが進みます。
家でミサトの言葉に不機嫌になり、学校でのトウジたちとのもめごと、そして使徒との闘いでの反発などがあってからのミサトからの叱責に耐えられず家出する、というプロセスが、アニメよりもわかりやすく丁寧に描かれています。
時間的な制約が大きいアニメでは描かれない、シンジの心の動きみたいなものが読者にわかりやすく描写されていて、読んでいると「これならシンジが家出してもしょうがないな」と思ってしまいます(逆にアニメは色々想像する余地があって、それはそれで面白いですが)。
また、そのシンジを引き留めるミサトとの会話がすごく良いです。ペンペンを引き取った経緯を話しながらのセリフ“家族がいてくれればいいなって思ったのよ”は、マンガ版エヴァの名セリフの一つだと思っております。シンジからしてみれば最も欲しかった言葉でしょうね。
第2巻は派手な話しはありませんが、序盤のストーリー展開の中でもかなり気に入っております。そして、家出も終わりミサトとの関係もひと段落したところで、3巻では新しい展開へとストーリーが進みます。
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