株式会社カラー所属のアニメ監督・前田真宏監督による初の展覧会【雑・前田真宏】展に行ってきましたので、簡単にレポしたいと思います。サイン会も開催された(そちらが目当てでした)のでそちらの様子も書いております。
【雑・前田真宏】展の概要
アニメーション監督でありヱヴァンゲリヲン新劇場版シリーズでも監督やイメージボードなどを担当された前田真宏監督による初の展覧会で、OVA作品『青の6号』や『巌窟王』など前田監督が手掛けた作品のほか、エヴァンゲリオンシリーズなどのスケッチや画稿が展示されたイベント。2025年2月28日発売予定の画集「雑 前田真宏 雑画集」の刊行を記念して企画されました。ほかイベント公式サイトでの紹介は以下の通り。
アニメーション監督・前田真宏〈株式会社カラー所属〉の初となる展覧会「雑・前田真宏」展を池袋PARCO 本館7FのPARCO FACTORY にて開催いたします。池袋会場を皮切りに、名古屋PARCO、心斎橋PARCOにて巡回予定となります。
本展は、2025年2月28日に発売予定の画集『雑 前田真宏 雑画集』〈光文社〉の刊行を記念して開催。画集に収録される彼が関わった膨大な作品より厳選した画稿を立体的に紹介する内容となっています。引用:PARCO ART PARCO FACTORY「雑・前田真宏」展 より
イベントは2025年1月の池袋からスタートし、5月に名古屋、7月には心斎橋と各地のパルコを巡回する予定となっております。
<池袋> 2025年1月31日~2月17日
<名古屋> 2025年5月16日~6月8日
<心斎橋> 2025年7月18日~8月3日
なお、池袋会場では当初アナウンスのなかった前田監督によるサイン会が2月7日と14日に急遽実施されました。このうち7日のサイン会は事前告知が前日であり、人数も相当絞った本当に急遽企画・開催されたものだったようです。2回目となる14日はうってかわって、2日前の告知かつイープラスでサイン会のチケットが1,200円で販売されたものでした。また、14日のサイン会当日には庵野秀明監督も展覧会を見にこられていたようです。
イベント会場の様子
私が行ったのは池袋での会期終了直前となる2月14日。この日は前田監督の2回目のサイン会があり、1回目のサイン会だった前回(超ギリギリで何とか行けそうだったのに仕事の調整をミスったのと交通経路を間違えたため)どうしても参加できなかった悔しさから、年度末の忙しい時期にもかかわらず意地になって行ってきました。
14時30分の回からだったので、1時間前にはパルコ本館の7階にある会場に到着。入り口で展示会の説明を受けて入場チケットを含めたサイン会の当日券(サイン会のチケットは事前にイープラスで購入・発券していたが、なぜかカバンに見当たらなかった。結局はかばんの中にあった本の間に挟まっていたことが帰宅後に判明)を買います。
ちなみに会場周辺には【雑・前田真宏】展のメインビジュアルを使ったポスターなどの掲示がたくさんあり、展示内容の想像を膨らませてくれます。

入り口脇にあった看板。このほかエスカレーターにもシールが貼られていたり、パルコの外通路なんかにも告知ポスターなどが掲示されておりました。

時間の都合でサイン会の前に肝心の展示も見たかったので、別にチケットを買って展示会へと入りました。なお、会場内はごく一部を除いてほとんどが撮影禁止でしたので写真はほぼありません。
会場内は思っていたよりも狭く、人がそれなりに入っていると身動きが難しいなと感じます。幸いにも私が入ったときは時間帯もあって人はまばらでしたので、それほど回りにくいとは思いませんでした。ただ、見学している間に人も増え、男性・女性だけでなく、外国人の方もいたりと客層の広さを感じました。
展示内容は前田監督が手掛けた作品のスケッチやイラスト、コンテなどが飾ってあったほか、前田監督によるビデオメッセージもありました。掲示物に関しては一般的な壁に貼り付けるものばかりでなく、巨大なタペストリーにして天井から吊るしてあったりしたのと掲示物の大きさも大小さまざまで、比較的コンパクトな会場内でも飽きさせないような工夫が見られました。また(入場チケットもそうですが)、透けるような透明な素材を使った展示が多く、他ではあまり見ないイメージの展示会だなと感じました。
こちらはごく一部だけあった撮影可能な展示物だった、画集「雑 前田真宏 雑画集」の表紙イラストにもなっているエヴァ初号機。透明な素材でできており、通路の向こう側が透けて見えます。このビッグな迫力はぜひ家に欲しいですね~

赤バックのエヴァ初号機は「ゴジラ対エヴァンゲリオン」関連の描きおろしイラストでもよく見ましたが、この展示物を見て前田監督の描くエヴァ初号機と言えば【赤】のイメージがなんとなく定着している自分に気が付きました。
こちらはスタジオカラーのカレンダーに登場したシンジとカヲルのイラスト。こちらも透明な素材です。

また、この撮影コーナーには『シン・エヴァ』クライマックスの一つであるシンジとゲンドウの絵コンテもあったのですが、実際の本編とはセリフやシーンが違っており思わず食い入るように観てしまいました。個人的にこっちバージョンでもかなり良さそうで、ゲンドウのシンジを視る目や考え方に、本編とは違ったイメージが持てて楽しめました。今後の名古屋や心斎橋の会場でも登場するかと思いましたので、これに関しては写真は無しで実際の会場で見てもらいたいですね。
展示スペースを抜けると物販スペースになります。写真撮りたかったのですが、この時点で前田監督が別の回のサイン会を行っていたため遠慮しました。ちょっと残念。でもコレクションし甲斐のありそうなかっこいいグッズが多く、皆さん手に取って買われていました。
サイン会について
展示を一通り見た後はいったん会場を出てサイン会まで待ちます。自分は14時30分の回で、集合時間は参加券記載の20分前でした。

時間が来たら会場へ再度行き、物販コーナーでサインしてもらう物を先に購入します。サインは物販コーナーで購入できるものだったら何でも良かったようで、他の人を見ているとクリアファイルやポストカードのほか、トートバッグや缶バッジの裏面などバリエーション豊かでした。
私の場合、本当はクリアファイルが大きくていいかなと思ったのですが、コレクションで持っておきやすいサイズとしてポストカードを選択。また、そのポストカードも2種類のうちどちらかを選ばなくてはならなくてかなり悩みましたが、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』のパンフレットイラストのポストカードにしました。もう一つはもし次回以降の展示会でサイン会があった時にお願いしてみようかと思います。
そして、いよいよサイン会がスタート。わりと後ろの方だったので待っている間はけっこう冷静だったのですが、いざ自分の番がきて前田監督の前に立った瞬間、緊張と興奮で全身鳥肌が立って戸惑いました。が、前田監督の穏やかな声質の「よろしくお願いします」という言葉を聞いて我に返りました(笑)
すぐにこちらも「よろしくお願いします」と言ったつもりだったんですが、どもりすぎて監督には申し訳なかったです。でもこのシン・エヴァのパンフのイラストが好きで、特に伸ばした右手に強い生命力を感じるところが好きですと伝えたところ、ペンで強調してくれるサービスをしてくれて感激しました。一生ものの家宝ですよコレは。

ほかにも一言二言お話しができて、トータルでは短い時間でしたが大変な思いをしたけど展示会に行って本当に良かったです。自分ひとりで行ったのがもったいなくて、次回はチャンスがあれば家族も連れて行きたいと思いました。前田監督、本当にありがとうございました!
まとめ
以上、【雑 前田真宏】展の簡単なレポでした。メインはもちろんサイン会だったのですが、展示物もどデカい迫力のモノがあったり貴重な作品もあったりして見ごたえありました。特に上記でも書いたようにエヴァ関連のものは本編とは違った中間制作物ならではのモノもあって、エヴァファンなら絶対損しない内容だと思います。
もちろん前田監督とお話しできた体験は貴重でしたが、お近くの方はぜひ展示会だけでも参加してみてはいかがでしょうか。きっと満足できると思います。
なお、最後に余談ですが、今回の展示イベントの入場チケットは普通の紙製ではなく半透明のプラ製というとっても凝ったデザインになっており、そのまま本のしおりになるようなカッコイイデザインでした。なので、ぜひとも全5種類あるチケットデザインのうち、エヴァ関連のデザインである2種類は未使用品を残しておきたかったので(購入時にデザインは選べないランダム式)当たるまで買うぞと意気込んでいました。

ところがチケット販売所に行ってみると5種類フルコンプ版が別に売っており、ラッキーと思って購入してみるとチケット下部がすべて最初から切り離されているものでガッカリ(このためか、フリマサイトでは入場チケットを特典のしおりだと思ってる人がいるようです)。いろいろ目的があってのこの形式なんでしょうが、コレクターとしては非常に残念な方式でしたね。このチケット自体はおそらく後の名古屋や心斎橋会場でも同じものが使われると思うので、そちらでリベンジしたいと思います。
